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資料室の恋人
第3章 出さないメール
「航平先輩?」
日和が声をかけると、振り向いた航平は驚いた顔をした。
「あれ、日和ちゃん!昨日はありがとね!」
「いえ、こちらこそです」
昨日の飲み会を思い出す。
そして帰り際に言われた言葉も思い出して、どきりとしてしまう日和。
"気になる女の子の番号をゲットできたからさ!"
余計な事を思い出してしまった。
「あれ、先輩お家この辺なんですか?」
「今日はサークルの練習があってさ。あっそうだ、日和ちゃん、お昼食べた?」
「あ、いえ、まだですけど」
そういえば昼食を食べていない。時刻は13時になろうとしていた。
「どっか食べに行こうよ。俺もまだなんだ」
朝食から何も食べていない日和の胃は、その言葉に反応したのかグゥと鳴った。すると返事をするかのように航平の胃もグゥと鳴る。
日和と航平は顔を見合わせた。
「胃は正直だね」
「…ほんとですね」
ふたりは笑い合いながらコンビニを出た。