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資料室の恋人
第3章 出さないメール
航平に連れてこられたのは、近くのパスタ専門店だった。日和も何度か来たことのある店だ。
店に入るなり、店員が航平を見ると、おー!と言って近づいて来た。
「航平じゃん、どうした~?」
「ちょっと食いに来ました」
店員は航平の知り合いなのか、話しながら、日和をちらりと見た。
「大学の後輩なんで、割引お願いしまっす!」
航平は笑いながら言うと、日和を席へと促す。
「お知り合いですか?」
「うん、俺ここでバイトしてるから」
航平はメニューを開くと、日和ちゃんはこれかな?とクリームパスタを指差した。それは日和がそれ以外は滅多に食べないというほど気に入っているパスタだった。
「え!なんで食べたいのわかるんですか?!」
「へっへっへっ!」
先輩はわざとらしく笑うと、店員を呼んで注文を済ませる。