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資料室の恋人
第4章 オレンジ色の部屋

「どうしたの?突然」

無表情で問う佐倉。

「金曜日は会議が入ったっておっしゃってましたし、忙しいし大変だと思うので、今後は先生が都合のいい日の空いた時間に資料室を開けたらいいと思います。私は、勝手にご一緒させて頂いてただけだし、さっきみたいに待たせてるかもって思われると申し訳ないですし…」

笑顔で答える日和だっが、心の中では平常心を保とうと必死だった。本当は会えなくなるのは嫌だった。なのにどうしてこんな事を言ってしまうんだろう。

「もしかして…俺が来なかったこと怒ってるの?」
「いえ、そんなことは…」

そう返しながら日和は内心どきりとした。

先生の言う通りかもしれない。
この原因不明のイライラは、先生が来なくてずっと会えなかったことが腹立たしいのかもしれない。だとしたら、なんて思い上がりなんだろう。約束していないし、先生が資料室を使うついでに一緒に使わせてもらっているだけなのに。

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