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資料室の恋人
第6章 雨の流れ星

「ここなら誰にも見られないよ」
「…職場なんだからもっと節度ってものを…っあ!」

佐倉は日和の言葉を無視すると、うなじにキスをした。

「あっ、先生!」
「今日は髪縛ってるんだね」

日和は珍しくポニーテールをしていた。
雨の日は髪がうねるし、広がるので縛ってしまう。そう言おうと思うのに、佐倉は言わせてくれない。

「ちょっ、と、!」

佐倉から離れようとするが、今度は向かい合うように腰に手を回されて、また捕まってしまう。

「可愛い」

佐倉は日和の髪を指で弄ぶと、唇にキスをした。

佐倉は最近、会えばすぐにキスをする。
誰も来ないとは言え、自分にとっては学び舎で、佐倉にとっては職場だ。佐倉はどう思っているのかと日和は気になっていた。
まあ、お互いもう成人しているし、高校生と教師というような禁断感はさほど無いのは確かだ。実際のところ、大学で教鞭をとる者と学生の恋愛はよくある話だった。さすがに公にならないが、日和も噂を耳にしたことがある。

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