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資料室の恋人
第6章 雨の流れ星

佐倉の住むマンションは、日和の家から20分ほど離れたところにあった。

「失礼します…」

そう言いながら佐倉に続いて部屋に入ると、清潔感のあるリビングダイニングがあった。

「どうぞ。好きなところに座っていいよ」
「ありがとうございます…」

好きなところと言われてもどこに座ればいいのだろう。取り敢えず、ラグの上に正座した。家具が少なく色も統一されていて部屋が広く見える。テレビ横の本棚にはびっしり本が入っていて佐倉らしいなと思った。

「ソファー座っていいのに」

佐倉はそう言いながら日和の隣に座ると、マグカップを渡した。

「紅茶でいい?」
「はい」

一口飲むと、口の中に僅かな甘みが広がって、緊張が解けていく。

「お腹空いたね」

そう言えば、と時計を見ると21時になっていた。

「ご飯食べてく時間ある?…ってカップラーメンしかないんだけど」
「大丈夫です。すみません用意させてしまって」
「そんなの気にしないで」

待っててね、と言って佐倉が離れていくと、日和はふぅと息を吐いた。



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