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資料室の恋人
第6章 雨の流れ星
ローテーブルにマグカップを置くと、窓から外を見る。
大学はどの辺だろうか。一緒にいたいという気持ちだけで、何も考えずに先生の家まで来てしまったが、これからどうしたらいいんだろう。
取り敢えず、お母さんに遅くなるってメールしておこう…。
携帯電話を操作していると、背後から佐倉が抱きしめた。
「先生…あっ…!」
佐倉の唇がうなじを伝う。
「ラ、ラーメンは…?」
「3分待たないと」
首筋を甘噛みされると、ゾクッとして鳥肌が立つ。
「っ、さ、んぷん?…っ」
「でも3分でやめられないかも…」
佐倉の抱きしめる腕に力が入る。
日和はその腕を掴むと、あの、と言った。
「私って…先生の何ですか?」
振り向くと、佐倉のぽかんとした顔があった。
「どういう意味?」
「いえ、あの…どうやって接したらいいのか分からなくて…付き合ってるわけじゃないし」
「付き合ってるでしょ」
「つつつ、付き合ってたんですか!?」
数秒の沈黙が流れると、佐倉がくすくすと笑いだした。