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資料室の恋人
第6章 雨の流れ星

「俺は気まぐれに抱きしめてキスする奴だと思われてたんだ?」

佐倉は微笑みながら抱きしめた。

「ちがいますっ!そう言うことじゃなくて…」
「三木さんは俺達の立場を気にしてるんだよね」

日和が無言で頷いた。
先生は先生で私は学生だから。立場や接し方を気にするのは当たり前のこと。

「俺は立場なんてどうでもいいよ」
「ど、どうでもいいって…」

日和には予想外の答えだった。

「うん、どうでもいい。だから三木さんも考えないで。寂しかったら寂しいって言ってよ」

心臓がドクンと跳ねる。

「別に、寂しくないです…」
「俺の前では我慢しないで」

優しい声。
いつも佐倉には何でもお見通しなのだ。

「…じゃあ、用がなくてもメールしていいですか?」
「もちろん」
「電話も…?」
「もちろん。俺もしていい?」
「…もちろん」

日和が少し照れたように言う。佐倉は微笑んで、日和の頬を撫でた。

「キスしていい?」

佐倉が聞くと、日和は小さく頷いて頬を赤くした。
佐倉の顔が近づいて唇が重なる。
舌を絡ませてお互いを確認し合うようなキスに、日和は頭が溶けてしまうと思った。いつの間にか、日和の手は佐倉の背中に回り、シャツ越しに伝わる体温を感じていた。

すると突然、佐倉がキスをやめる。

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