この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
資料室の恋人
第7章 味噌汁と卵焼きと金平とパスタと、君

ランチョンマットの上に、味噌汁と卵焼き、にんじんの金平が並べられる。最後につやつやとした白米が置かれた。

「わー…朝ごはんだ」

思わず言葉が出た。こんなにちゃんとした朝食はもう何年も食べていない。

「冷めないうちにどうぞ。口に合うかわかりませんけど…」
「いただきまーす」

味噌汁を一口飲むと、すっと体の芯が温かくなる。

「味薄くないですか?」
「美味しい…料理上手なんだね」
「いえ、そんなことないです」

大げさです、と言いたげに彼女も味噌汁をすすった。本当は嬉しいくせに。

「今更なんだけど、昨日泊まって大丈夫だった?お家の人とか何か言われたりしない?」

本当に今更だ。泊めるだけではなく、あんなこともしたし、あんな姿も見た。本音はいつまででも泊まっていけばいいと思うのだが、そうはいかない。

「大丈夫です。友達の家に泊まるからって連絡はしておいたので」

こういう場合は、いつの時代も"友達"が使われる。特に女の子は。

「じゃあ、これ食べたら送っていくよ」
「あ…予定があるんですか?」
「ううん、特に無いけど。どうして?」

言って。
今頭の中で考えているであろう言葉が聞きたい。

「…今日は休みだし、まだ…」
「まだ?」

もうちょっと。

「…一緒に居たらダメですか?」

そう、それ。それが聞きたかった!

「いいよ、俺も一緒に居たいから」

ほっとしたように笑う彼女。
好きな子にちょっとした意地悪をしたくなるのは、いつの時代も同じだ。特に男の場合は。




/117ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ