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資料室の恋人
第8章 噂の先生

「とにかく、今後は目立つような行動は控えるように。あなたはただでさえ目立ちますから…わかりましたね」

間宮教授が明らかに機嫌が悪い顔で言う。
佐倉は返事をしながら、目立つ行動とは?と思った。
日和には立場は関係ないと言った。しかし、周りはそうは思わないだろう。今回は付き合っている彼女がうちの学生で日和だとは誰にも知られていないが、知られたらどうなるのだろう。

「お話が済んだのならこれで…」
「あ、佐倉先生、もう一つお話があります」

一礼して部屋を出て行こうとした佐倉を学部長がとめた。

「間宮先生、申し訳ないが席を外してくれますか?」
「……わかりました」

佐倉を一瞬睨むように見ると、間宮教授は部屋を出て行く。扉がばたりと閉まった。

「何でしょうか」
「うん…実はね…」


***


「花火大会?」
「そうそう!毎年、河川敷で大きいのあるじゃん!行こうよ!」

午前中の講義が終わり、日和は食堂でランチを食べながら明里の話に耳を傾けていた。

「日和は行ったことないの?」

直也の問いかけに頷く日和。

「じゃあ行こうよ!出店もいっぱい並ぶから絶対楽しいって!」
「うん、行こっか」
「やったー!じゃあ航平先輩もよぶね!!」
「えっっ!?」

日和が思わず声をあげる。がちゃりと音を立てて、持っていたスプーンがオムライスの上に落ちた。

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