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あの口づけは嘘じゃない。
第3章 2人で会うけどデートじゃない
ピロンッ♪
『日曜の午後なら会える
家まで迎えに行く』
助けてもらった翌日、私は宮下さんにお礼をするという用件で一緒にお茶をしたいと申し出ていた。
宮下さんからのOKの連絡。しかも迎えに来てくれるなんてびっくり。
学校にいるのに思わず顔がニヤける。
絵文字とかを使わない素っ気ない感じが宮下さんらしい。あの長い綺麗な指がこれを打ったところを想像すると、それだけでこの文字が輝いているように思える。
相手からの返信にワクワクしてるなんて、まるで恋する乙女だなぁと自分で笑ってしまう。
会ったら、昨日の痴態に関してきちんと謝ろう。
そしてこれから仲良くなりたいです、と告げよう。
「あれ、ニヤニヤしちゃって愛菜どうしたの?
さては男かぁ〜?」
そう言いながらお弁当を持って私の隣の席にやってきたのは、同じクラスで親友の古谷 真紀。
「ちーがーいーまーすー。なんで真紀はそうやって恋愛に繋げるかなぁ。」
「だって、愛菜が男作ったらワクワクするじゃん。親友としては、初期段階から相談を受けながらニヤニヤしてたいのよ。この気持ちわかる?」
パック入りのオレンジジュースを飲みながら覗き込んでくる顔は、まるでいたずらを思い付いた少年のよう。
「わかりません。ってか彼氏とか作らないから。誰かさんと違って。」