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あの口づけは嘘じゃない。
第3章 2人で会うけどデートじゃない
「はぁ。…眠れなかった。」
宮下さんと会う約束の日曜日。
睡眠不足で目の下にクマが出来ている。本当に最悪。
女子として、こんな顔で人に会うのは恥ずかしすぎる。
「二度寝して寝坊するのも怖いしなぁ…。化粧で誤魔化すしかないか。」
宮下さんが車で迎えに来てくれるのは午後2時。
まだまだ時間はたっぷりあるはずなのに、なんだか落ち着かない。
大人と会うんだから大人っぽくしなきゃ。
髪は巻いた方が良いのかな?それともストレートで清楚な方が良い?
服は?うーん、でもきっとミニスカートを履いていけばハズレではないよね。
こんなに悩むなら、宮下さんの好み聞いとけばよかった。
ようやく仕度が終わって、遅めの朝ごはんを食べにリビングへ向かう。
「あら、愛菜。その格好、デートにでも行くの?」
母の声で目が覚めた。
髪先を緩めに巻いたロングヘアー。
白のニットにピンクのミニスカートと黒タイツ。
ナチュラルメイクに、イヤリングとハートのネックレス。
私は今、どう考えても、いわゆるデートコーディネートに身を包んでいる。
相手が大人だからって、なんでこんなに気合いを入れてるの。