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あの口づけは嘘じゃない。
第2章 始まり
「お仕事帰りだったんですか?」
「あぁそうだよ。このあたりにある会社に勤めてんの。愛菜ちゃんこそ制服だけど…流石に学校帰りではないよね?」
「あー、私は塾帰りなんです。学校からそのまま行ってるから。普段はもう少し早く帰るんですけど、なんか今日は帰りたくなくって。」
チラッと彼の顔を盗み見る。
サラサラな黒髪に、切れ長の目、ツンとした鼻筋、色気のある首筋。
本当に美形。この人きっとモテるんだろうな。
「そんなに俺の顔みてどうしたの?もしかして見惚れちゃった?」
あ、やばい。バレてた。
そうです、綺麗だったからつい。なんて言えるわけもなく。
「違いますよ。年上興味ないし。」
大嘘だけど。
「えっ、意外だなぁ。年上好きそうな感じしたのに。
あー、でもそういう気の強いとこ、年下からモテそうだなぁ。
ってか年上好きでも、俺くらいのおっさんには興味ないか」