この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あの口づけは嘘じゃない。
第2章 始まり
「…えっ。宮下さんってお幾つなんですか?」
ホントは年上好きな私を見破られていたみたいで恥ずかしい。話題を変えたくて、男の人ならタブーじゃないだろうと願いつつ質問した。
「ん、今年29だよ。多分愛菜ちゃんと12歳くらい違うでしょ?」
「29…?うそだ、26くらいに見えるのに。」
ふふ、そう?と隣で満足気な顔。
あぁ、そういう風に無邪気に笑ったりするんだ。
「若く見えてるなら嬉しいや。でも年齢はホントだよ」
「26歳の学校の先生より、絶対宮下さんの方が若く見えますよ」
「え、まじ?やったー、勝った勝った!」
…可愛い。
冗談でもはしゃぐその姿が可愛くて、つい私も笑ってしまう。
「愛菜ちゃん、笑ったらもっと可愛いね」
「…はっ、え?高校生からかって遊ばないでくださいよ」
いきなり言うから心臓に悪い。可愛いと言われ慣れてないわけじゃないけど、この人に言われたらドキドキしてしまう。
「んー、思ったこと言っちゃうタイプなの、俺。」
そう言って、バックミラー越しにニコッと微笑む。
…反則です。
「あ、でもこれじゃあナンパしてるみたいだな。やめとこ」
そう言ってあはは、と笑い飛ばしてくれるから気まずくなることもない。大人だなぁと思う。