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オレンジ色のまま脳みそに焼きつけて、焦がして
第1章 無邪気なオレンジ



何ていうタイミングで私はユリの夢を見たんだろう。
ユリが別れの挨拶に来てくれたのだろうか?

それとも、私への恨みが私の夢になって出てきたのだろうか?

悲しいとは違う、変な感情がグズグズと胸の中で疼く。
ゴミに蛆虫が湧くようにグズグズと気持悪い。

多分、この感情はユリに対しての負い目。
ただ胸糞が悪いだけなんだ。

つくづく思い知る。

私はとんでもなく薄情で自己愛の強い冷たい人間だと。

この10年間、ユリは私を想っていたのだろうか?
ユリが私に遺したものはなんだろう?

恨みつらみが綴られた手紙かな?

きっとひどく私を恨んで死んだのだろう。

この10年間どんな気持ちでユリは生きていたのだろう。

涙は出ない。
ただ頭痛がひどくて、頭を押さえた。
心臓もどくどくうるさい。

明後日がすごく怖い。
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