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オレンジ色のまま脳みそに焼きつけて、焦がして
第1章 無邪気なオレンジ




「コラッ!ちゃんと待ってないとダメでしょユリたん!」

奇妙な店員はオレンジ色の男を肩から退かすと、ほっぺたを両手で挟んで男を叱った。
赤ちゃんを叱るみたいな口調が鳥肌モノで、思わず身震いしそうになった。
しかも呼び名が“ユリたん”って、やばいぞこの二人の関係。

ツッコミどころ満載だが唖然としてしまい『ご』で窄めた口が戻らない。
タコみたいに口を尖らせながら二人を見ていた。

なんだか見ちゃいけないものを強制的に見させられているような気分で、疲れる。

すると突然オレンジ色の男が私の方にクルっと顔を向けてジーっと見てきた。

こう、よく見れば見るほどいい男で感心した。
芸能人の卵とかかな?

けどそんな人がこんな田舎の居酒屋に来るのかな?

そんな事を勝手に考えて勝手に疑問に思っていたら、オレンジ色の男の顔が凄い速さで私の目の前まできて‥‥‥。

ふにっ、と柔らかい感触を唇に与えた。

私は何をされたのか分からず目をパチパチさせた。

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