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POISON 〜プワゾン…毒
第5章 決心
「そんなに怖い顔をしなくても…ははは。その目が好きだから別にいいんだがな。なぁ、サクラ…じゃなくてアリサ、お前は父親が誰なのか知っているか?」

「え?父親?」

神崎は立ち上がり、古く厚い日記帳を私によこした。
ところどころ付箋がついていた。

「日記帳?」

「お前の父親が書いた日記だ。」

私は日記帳を見つめながら指先で表紙を撫でた。

読んでいいのか戸惑ったけど、やはり父親を知りたいと思い付箋の貼ってある最初のページを開いた。

《智が彼女を紹介してくれた。背の高い綺麗な女の子だったが年は13歳…驚いた。彼女の年齢にも驚いたが、18歳には見える女の子が13歳。。だということが一番驚いた。智は18歳で高校卒業したらイギリスの大学入学するために日本を離れるのに、彼女を作るとは…》


智?神崎さんの事?
ママの彼氏だったの?
神崎さんが私の?え?

少しパニックになっていた。
深く息を吐き、自分を落ち着かせ、続きを読み始めた。


《智の彼女の両親は亡くなり、父方のいとこの所にいるそうだ。智が言うには、あまり可愛がられていないそうだ。彼女が言った訳ではないが、彼女の持ち物や着ている服からの憶測だそうだ。それでも健気にいつも前向きな明るい彼女に惹かれたそうだ。
私が18歳の時、中学生は子供に見えていたが、5歳しか年齢が離れていないんだな…》

《智がイギリスに発った。彼女とは別れたそうだ。彼女は笑って送ってくれたんだと…智は寂しそうだった。》

《智の彼女に2年ぶりに会った。カフェでアルバイトをしていた。彼女は私を…智の祖父だとすぐに気付いてくれた。以前より大人びていた。》

祖父?神崎さんのお父さん?

《私は毎日カフェに通ってしまった。そして、夕食を一緒に食べようと誘った。彼女は喜んでくれた。私は…彼女に癒された。目を輝かせながら話す彼女はとても綺麗だった。こんな老人なのに、こんな若い娘に恋をしてしまうなんて…》






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