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POISON 〜プワゾン…毒
第5章 決心
ショーの翌日のワイドショーはこのショーでの私とレイの話題で持ちきりだった。

私が倒れ、抱きかかえられると、ドレスが綺麗に広がり美しかった。
そしてキス…

白雪姫のようだとか、美女と野獣のようだとか大袈裟にコメンテーターが賞賛していた。

ただ緊張と貧血で倒れた時にレイが勝手に演出しただけで、私は何もしていないのに。

そういえばあの時のレイの唇は柔らかく優しかった。

あの感触と目を開けた時に目の前にレイの顔があり、ドキドキとした鼓動は今も、あの時のことを思い出すだけでもドキドキしてしまっていた。

レイと私がキスをしたシーンが繰り返し流され、女性コメンテーターがため息をついている。



事務所には、テレビの出演依頼や雑誌の取材の申し込みがたくさん来ているそうでマネージャーが嬉しい悲鳴よ…なんて電話がきた。

私には好都合だった。
私のルーツを調べられ、周りが神崎一族を追い込んでくれる…
そして私が謎の死を遂げる…

そんなシナリオが頭に浮かんでいた。


ショーの翌日から私とレイはスケジュールがいっぱいになった。

レイと一緒の仕事は楽しかった。
こんなに仕事が楽しく思えたのは初めてで、仕事だけでなく生きているのが楽しく思えたのも初めてだった。


ショーから1週間、マンションに戻ってもシャワーを浴び着替えをしてまたすぐに出掛けるという忙しさだった。

深夜にマンションに戻ると神崎さんが部屋にいた。

「アリサ、一躍時の人になったね。YK'zの株価もうなぎのぼりだよ。注文も殺到しているらしいよ。」

「そうなの?良かったわね。」

「アリサとレイのおかげだよ。あの時…アリサにレイがキスをした時は驚いたが、あれは良かった。」

「私、意識が遠のいてしまって…レイさんに助けられて良かったわ。」

「レイ様々だな。」

「キスされて気付いた時は驚いたけど…」

あのキスを思い出していた。

「アリサ?レイとのキスはどうだった?」

「え?」

「良かった?レイのキスは…顔が赤らんでるよ。」

「そ…そんな。驚いたけど…」

「けど?」

「ん…けど…」

柔らかく優しくキスを思い出していた。

「僕とのキスの方が良かった!か?」

「え?あ。うん…そう…ね。」

妬いてるのかしら…







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