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POISON 〜プワゾン…毒
第5章 決心
レイは毎日ずっと傍にいてくれた。仕事は私の事を聞かれるからと全てキャンセルしていた。

本当は私の傍に居たいからと笑って言った。

イタリアで暮らしていた子供頃の話や、モデルを始めからの話、未来の夢をたくさん話してくれた。
毎日会話が尽きなかったのだ。

「サクラは笑った顔が最高に可愛い!」
イタリア人ぽい甘い言葉も時々言ってくれ、私はもっとレイが好きになっていた。

病室の食事も段々と食べられるようになり、たまにレイが有名店のスイーツを買ってきてくれて、半分こして食べたりしていた。

幸せだった。

生きていて良かったと思えた。


私が失踪したと報じられるようになり、あらゆる所をマスコミは探していた。
私の親友と言われる人達のインタビューもあちこちでされていた。

人間不信の私はレイは今は私の傍にいてくれているけれど、いずれ去るんだろうなと思っていた。
自分のおおおばを好きになるなんて有り得ないし、祖父と父親と関係があった女を受け入れられるとも思わなかった。

それでも今は幸せで生きていて良かったと思えているから今を楽しめばいい…


「やっぱり若い子は傷が治るのが早いわねー。私なんて蚊に刺されただけで、痕に残ってシミになっちゃうのよー。」
やたら明るい看護師だった。
私の点滴の管を抜き、
「お大事にして下さいね。生きていたらいろいろあるものね。辛いことも幸せなことも。」

そして、お辞儀をして病室から出て行った。


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