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POISON 〜プワゾン…毒
第1章 ママとの生活
ママが帰って来ると、私の様子も見ずに洗濯物を取り込んでいた。
私はママが様子を見に来ないのが寂しかったが、ホッとしていた。
自分を落ち着かせる時間が出来たからだ。

「アリサ、ご飯できたわ。」

食卓を覗くとスーパーの惣菜がパックごと並べられていた。
今までそんな事は無かったのに、パックごと並んでいたのには驚いたのだ。

歩くのも痛かったが、私は何でもないように食卓に座った。
ママは無言でご飯を口に運んでいた。

食卓はピンと空気が張り詰めていた。

早くご飯を食べ終えて部屋に行きたかった。
私は食べたくもないご飯と惣菜を飲み込み、自分の使った茶碗を洗い部屋に戻った。

何で?
ママ、怒っているのかな?
私が怪我をしたから?
病院に行ったから?
警察に事情を聞かれたから?

私は邪魔なの?
私のこと嫌いになったの?
私をもういらないの?

痛いよ…ママ
身体も痛いけど、喉の奥と胸の中が締め付けられて痛かった。

身体を横にすると突然吐き気がした。
急いでトイレに駆け込むと消化されていない食べ物がトイレの中に浮かんだ。

ちゃんと噛まなかったからか…
ママに叱られる…

私は何事も無かったようにトイレから出ると部屋に戻った。

暫くするとママがアパートから出て行った。

急用?
買い物?
誰かに会いに?
それとも出て行った?

ママ…
いい子になるから…戻ってきて…
お願いママ…
私は涙が止まらなかった。

ずっと布団の中でママの帰りを待っていた。

夜中の1時過ぎに玄関のドアが開く音がした。
そして私の部屋のドアが開いた。
ドアは開いたがママは部屋に入って来ない。
私は薄眼を開けてみたが、ママがジッとこっちをみていた。

暗くてよく見えなかったけど、私を見つめるママに恐怖を感じていた。

そしてあの香水の匂いが微かに漂っていた。







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