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POISON 〜プワゾン…毒
第3章 アリサでいる事
モデル事務所の人と施設長とは後日話してもらう事になり、中学の友達との約束があるキララと別れカイトのアパートに向かった。

カイトは高校進学をせずに、料理人修業をしていた。私にたまに練習で作った料理をご馳走してくれるのだった。


カイトのアパートに行くと玄関の前から料理のいい匂いがしていた。
玄関ドアを叩くと
「アリサ?開いてるよー」

ドアを開けると出汁のいい香りが部屋中にしていた。

「おー、アリサ。もう出来るからそこに座ってくれ。」
1Kの小さな部屋の真ん中にちゃぶ台が置かれていて、そこに座布団が置かれていた。
座布団は可愛い柄で、カイトが勤めているお店で使わなくなった古い座布団を貰い、私がカバーを作ってあげたのだった。

座布団の上に座り部屋を見渡した。
カラーボックスとちゃぶ台と座布団しか無い部屋だ。
押入れに数枚の服と布団が入っているだけだ。

「相変わらず何にも無い部屋ね。」

「欲しい物は今のところ無いし…部屋が狭いし、これがちょうどいいんだよ。掃除も簡単だし。」

「あはは。そうね。自分専用のトイレもお風呂もあるしね。」

「トイレとか風呂が順番じゃないから最高だよー。」
料理をちゃぶ台に並べながらカイトは言った。

「これなー、角煮、豚のな。前に角煮が好きだって言ってたろ?で、これが…筍ご飯と…桜えびの茶碗蒸しと…ふろふき大根の…おい!説明を聞けよー。」

我慢できずに料理を摘んでいた。
「だってお腹空いちゃったしー。もう、角煮が柔らかで美味しいー。」
カイトの料理は美味しかった。

「当たり前だ、毎日勉強してるからな。」

私は料理を次から次へと口に運び、食べ終えた。

「ご馳走様。美味しかったー。お腹いっぱい。あ、洗い物は私がするから…」
私が立ち上がると

「アリサは今日はお客さんだから、いいんだよ。」

カイトは立ち上がり、私の両肩を押した。
いつの間にかカイトは私よりも背が伸びていた。
私の身長は172cmあったが、同じくらいだった。

「カイト、背が伸びたわね。」

「あ、そう?アリサはでかいからなぁ。アリサには負けられ無いと頑張って伸ばしたんだ。」

食器を台所に運び洗い物をしながらカイトは言った。

「食後の…何飲む?コーヒーでいいか?ミルク入りのだよな?」

「ありがとう。それでお願いします。」


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