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第4章 サクラになる

私は何とか学校に通いながら、日本のショーの準備をしていた。

そして、日本でのショーのも大成功に終わった。

ショーの打ち上げパーティーは凄くたくさんの人が来ていた。
政財界、芸能人、他のブランド関係者、スポンサー、取引関係者…
私はたくさんの人を紹介され、顔と名前をしっかり覚えておくように言われた。

薄暗い中で着飾った人を覚えるなんて、とても大変な事だと思った。

「あなた、この新しい入ったモデルさんを紹介して下さいな。」
女性が神崎さんの腕を掴み、私の前に立ちはだかった。

隣にいたモデルが
「神崎さんの奥さんよ…」
私の耳元で小声で言った。

奥さん？
え？結婚してたの？
私の体は固まってしまった。

「こちらは、モデルのサクラ。高校生で…あの進学校に通ってるんだよ。」

「あら、そうなの？」
奥さんは私の足先から頭のてっぺんまで見つめた気がした。

「妻のサワコです。いつも主人がお世話になってます。細かくて面倒くさい人でしょ？」

「い…いえ…お世話になってるのは…私の方で…」

「あら、どんなお世話をしてるのかしら…ホホホ、あ、あなた、あちらに、都知事がいらしたわ。」

奥さんは神崎さんの腕を組み私の前からいなくなった。

神崎さん、結婚していたんだ。
当たり前よね。
あんなに素敵だものね…

私は全身の力が抜けた。

「ご…ごめんね。私…気分が悪いから…先に帰る…ね。」


私はパーティーから抜け、帰宅した。