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POISON 〜プワゾン…毒
第4章 サクラになる
私は夜中にホテルを出て家に帰った。
神崎さんが寝ている間に出てきたのだ。

吐き気を堪えながらタクシーに乗り、帰宅したのだ。

アパートの部屋の玄関に行くと、人影があった。
私は一瞬驚いたが、灯りに照らされたのはキララだった。

「キララ?こんな遅くに…どうしたの?」

「アリサちゃん、二、三日泊めて。」

「どうしたの?施設には言ってあるの?」

キララは俯いていた。

「さぁ、中に入って。知らなくてごめんね。」
キララは俯きながら首を横に振った。

部屋の電気をつけると、
「あっ!」と言ってキララは顔を伏せた。

「どうしたの?キララ?」
私は無理矢理キララの顔を覗き込むとキララの頬は赤く腫れ、唇は切れた痕があり、瞼は腫れていた。

「キララ?キララ、どうしたの?キララ?」
キララは涙を目に溜め口を噤んでいる。

「痛かったね…可哀想に…冷やそうね。キララ。」
私は理由を聞くよりキララの怪我をどうにかしてあげようと思った。

キララにシャワーを浴びてくるように言い、シャワーから出た彼女はタオルを冷やし顔に当てた。
キララの震えている手をにぎると、手首が擦れ血が滲み腫れていた。

縛られてた?

「キララ、誰にされたの?何故?私の知ってる人?知らない人?」
キララは下を向いている。

「キララ…言いたくない…言えないこともあるのは分かる。でも今までこんな事をされた多くの子を見てきたでしょ?黙っていたら解決しない事も知ってるでしょう?」

施設の子供たちを思い出していた。
ほんと酷く顔が腫れあがっている子、見た目は何もなくて、身体は痣だらけの子…死にかけて病院から退院して来た子…

「カイト…カイト君が…でも私がいけないの。私がカイト君の言いつけを守れなくて…カイト君に棄てられちゃったかも…どうしよう…アリサちゃん。カイト君に嫌われちゃった。私…私…」

可哀想なキララを私は抱き締めながら、背中を摩った。

「キララ…辛かったね…辛かったね。」

顔に怪我をしたキララを施設には返さずに、暫くキララをここに置く事にした。

私だけの力では何もできないから、施設長には連絡をした。

カイトにあれだけ言ったのに…

DVをしてしまい、反省して謝り優しくする。
その優しさに応えて貰えないとまたDV…

する方もされる方も不幸なのに




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