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POISON 〜プワゾン…毒
第4章 サクラになる
神崎は、私を助手席に乗せると、私の手を掴んだ。

「昨日、来るように言っただろ?何故来ない。恥ずかしかったのか?」
私は首を振った。

「そんなに震えて…緊張しなくて大丈夫だよ。サクラを大切に可愛がってあげるから。」
私は車から降りようとしたが、ドアは開かなかった。

「危ないよ…大人しくしていないと。」
神崎は、車を走らせ高速道路に入った。

「会社じゃないんですか?」

「会社だよ。会社の保養所。」

「え?」

「1時間くらいかな。もっとサクラの話しを聞かせて欲しいな。サクラの生まれは?親は?」

「生まれは分かりません。親は居ません。」

「は?分からない?居ない?は?私と話すのが嫌だという事か。」

「本当に生まれは分かりません。親は小学生の時に死にました。」
私は淡々と言った。

「え?あ。本当の事か…悪かったな。」

「いえ、大丈夫です。」
本当は大丈夫ではない。ママはこの男に殺されたようなものだったから。

神崎は無言で何台もの車を追い越していた。

真っ赤な車で爆音をさせながら…


外の景色は日が暮れてだんだんと見えなくなっていた。

キララ…大丈夫かなぁ…
私はスマホをチラッと見たがキララからの連絡はなかった。

本当はキララより自分の心配が先だったのに。



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