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炎の薔薇
第10章 炎
「あなたの奥さんは探偵を雇って、あなたを調査したのよね?
それで私との事がバレて別れたいって事かしら?」
怒りの籠もった声で私は聞き返した。
「そうや」
「あなたのお金を遣って、奥さんは探偵を雇ったのよね?」
「そうやけど……」
「あなたはそれで平気なの?
そんな事をする奥さんを怒らないの?
そんな人とこれからやっていけるの?」
「……………………そうするしかないんや」
「あなたの奥さんって、話以上に自己中で気持ち悪い人ね!
そんな奥さんに頭が上がらないあなたもどうかと思うけど!」
「ごめん。許してや。茜。ほんまにごめん」
ハッ?ごめん?
ごめんなさいだろ!
これが人に誠意を持って謝る態度か?
自分都合の一方的な理由しか言えないの?
バカか?あんたは?
奥さんの尻にひかれた座布団亭主なのか!?
怒りを通り越して呆れてしまいそうになった。