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炎の薔薇
第10章 炎
「これ以上俺達が会っていたら裁判になって、お金取られるかもしれんよ?」
本当にバカなのか?お前は!!
お前も同罪なんだよ?
そんなの怖くて不倫していると思うなよ!!
「へぇー。あんたの奥さんは私から慰謝料が欲しいわけ?
いいわよ。裁判でもしますか?」
「茜、頼む。お願いだから別れてくれ!!
俺には子供は捨てられん………」
絞り出すような声で訴える和也。
この男は今まで何の為に生きてきたの?
これから先もこんな豚女に一生縛られて生きていくの?
「奥様はあなたに興味があったようね?
あなたのお金で探偵を雇って浮気の証拠突きつける。
あなたを上から目線で許してあげると言い放って私と別れさせるなんてね」
「そうだね」
「夫婦としては破綻してるのにね!」
「そうやけど……子供は捨てられんのや。なぁ、頼む茜。
別れてくれ。頼む。この通りや」
「あなたはその大事なお子様も平気で裏切ったのよ」
「茜……分かってくれんか?」
「分かるわけないでしょ!こっちはそんなに頭良く出来てないのよ!
ただ言える事は、バレたのはあんたが抜けてるからよ!
何の覚悟もなく不倫なんてしてるからこうなるの!
挙げ句の果てに奥さんの言いなり?
本当に情けない男ね!
その座敷豚女房に一生繋がれて暮らすといいわ!」
怒りというものを口汚くしするもんだ。
勢いがついた怒りの炎は鎮火するまで燃え盛るもの。
仕方ないじゃない。
私だってこの不測の事態にコントロール不能なんだから!