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炎の薔薇
第11章 抜け殻になって
心が弱り、思い通りにいかないと、ついむしゃくしゃして負の方向に引っ張られていく。
納得出来ない気持ちばかりが優先し、あれこれ無駄な事を考える腐った脳みそ。
あの豚女房が監視してるから、和也の携帯に連絡は出来ない。
仮に連絡をしても、拒否設定されているかもしれない。
ならばと思いついた事は、和也の勤務先の大学に資料送付に見せかけた手紙を送ってみた。
確実に和也に連絡が取れるし、今の自分の気持ちも届くと望みをかけた。
粗相のないように自分の会社の社印を押して送ってみたりしたが、返事は届く事はなかった。
大学で使っている和也のパソコンにもアクセスしてみたが、それも一切無視された。
あの時に狂った感情で書いた手紙やメールなんて、さぞかし不快に思った事だろう。
読まれていたらの話だが、人間以下の豚呼ばわりで和也の女房を罵ったり、その豚に死ぬまで飼い殺しにされるつもりか?などとくだらない事を綴っていたのだから、面倒臭い女と関わったものだと和也の気持ちもすっかり冷めたに違いない。
でもその時は本気で取り返したいと、和也に愛を貫いていたつもりでいた。
今考えると、自分の行動にゾッとして怖くもなる。
本当にただのトチ狂った女だよね。