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炎の薔薇
第12章 悪女の勝算

「人のものを盗る人は泥棒っていうのよ?
分かってるの? 貴女!!」

「本当に奥さんのものだったのかしら?
和也さんはものではないし、戸籍上で夫婦ってだけですよね?
そんなに大事なご主人なら、盗られないようにするのが妻なんじゃないかしら?
私が泥棒ならご主人も泥棒になりますよね?」

 あなたのご主人も同罪なんですが、何か?

「貴女には常識の欠片もないのかしら」

「貴女のご主人もね」

 あなたの一方的な考え方は、自分の亭主も常識ないって言ってる事に気づいて下さいね。
 
 不倫両成敗ですよ!

「貴女、これ以上の侮辱は許さないわよ!!」

 じゃあ、どうすんだよ!!

「なら裁判でもして徹底的に戦いますか?」

「出来るならそうしてやりたいわよ!!」

「そうすればいいじゃないですか?何を躊躇してるんです?
一体、私に何をして欲しいのか?
はっきり言って頂けますか?」

「そうしてやりたいわよ!!
だけど、うちの息子の大事な時期でもあるし、こちらが折れてあげているっていうのを貴女は分からないの?」

「最初にも言いましたが、悪い事をした自覚はあります。
でも正直、奥さんに対しては何にも罪悪感を感じないんですよね」
 
 今のあなたを見ても微塵も感じませんよ!

「貴女ね……不倫なんて道が外れた事をしといて、どうしてそういう態度がとれるんですか?
本当にしたたかで救いようない方なのね」

「奥にどう思われても私は平気かな?
正直どうでもいいです」

「貴女には常識の欠片もないようですから、これ以上、お話しても無駄かもね」

『私はいかにも正しい人間なんだ』とでも言いたげに、村雨美代子は溜息をつきながら言った。

 絶対、この女の前では私は怯まないと心に決めた。

「これで気が済みましたか?私はそういう人間なんです。
奥さんのいう通り、常識の欠片もございません。
話しても無駄なら、もう帰っても宜しいでしょうか?
この度は気分を害してしまいまして、本当に申し訳ございませんでした」

 そう言い切って、一応、頭だけは下げて帰ろうとした。

 次の瞬間、村雨美代子は飲んでいたコーヒーを私に向かってぶっかけてきた。
私の顔にはコーヒーがかかり、着ていた白いセーターにまだらな染みを残した。

 落ち着け、私。
ここで怯んだら相手の思う壺だ!!
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