この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
炎の薔薇
第12章 悪女の勝算


「これで気が済みました?」
バッグからハンカチを出し、顔にかかったコーヒーを拭く。
村雨美代子に対してはあくまでも冷静な態度で挑んだ。

「済むわけないでしょ!!
貴女の人生もめちゃくちゃにしてやりたいわよ!!」

 それがあんたの本音ですか?
 
「奥さん、そんなにご主人を愛してましたっけ?
ただ単に不倫したご主人が許せない、ご自分のプライドの問題ではないんですか?
なんとなく、奥さんに対して反省出来ないんですよ。
本当に申し訳ない事をした自覚はあるのに、奥さんを見ていると謝罪の気持ちが湧かないんです。
こういう時だからこそ、私も本音を話すべきだと思いますから、言わせて頂きますが……

 愛着がなくなって、大事に出来なくなって、可愛がれなくなって、飽きてしまった玩具を捨てたはずなのに、ある日、捨てたはずの玩具を大事にしている人を見て、嫉妬心から『その玩具は私のものよ。返して!』と言う子供みたいに見えてしまうんですよね。
返して貰っても、それだけに満足してしまって、結局、可愛がりもせずにまた放り投げるような?
そんな感じの人に見えます。
失礼を言っているのは重々承知なんですけどね」

「主人が玩具で私は子供だと貴女は言いたいわけ!?」

「ご主人を玩具なんて言ってませんよ?
例え話です。
最初に言ったように和也さんはものではありません。
心を持った人間です。
玩具ならまだしも、人間には心があります。
粗末に扱えば、心が離れてしまうのは仕方ない事なんじゃないですか!
そんな事は子供でも分かってますよね?」

 言ってやった!言ってやった!
ずぅーとあんたに言いたかった事!
和也があんたに言いたくても言えない事!

 あーースッキリした!!と満足して、ふと村雨美代子に視線を向けたら泣いているではないか……
 
/136ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ