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炎の薔薇
第1章 偽りのシンデレラ
過去に三高という言葉が流行った。
高学歴、高収入、高身長。
そんな三高男を昭和のバブル世代生まれの女性は求めた。
でも良く考えたら分かる事だ。
自分がその三高男性に似合う器じゃなければ、結局は遊ばれて終わってしまう。
三高男にも選ぶ権利は十分にある。
それなりの努力を怠り、理想だけは高く、都合のいい女になってしまったら惨めだ。
私も惨めな女の一人に過ぎない。
本当に惨めだ。
その惨めさを上手く隠し、気丈に振る舞えるほど出来た女にもなれない。
そんな私に比べたら、和也の妻は勝組の女なのかもしれない。
三高を和也に当てはめてみると、高身長という部分はどうやら違うようだ。
170に満たない背丈でずんぐりむっくりとした体型。
垢抜けてるとも言い難いルックス。
丸顔に短く切り揃えた黒髪に眼鏡をかけた風貌。
敢えて例えるのなら、丁稚奉公に出た少年がそのまま大人になった感じだ。
エリートの既婚男性に憧れる女性もいるだろうが、外見重視な人にとっては、和也は論外に思える。