この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
炎の薔薇
第1章 偽りのシンデレラ
これは私の憶測に過ぎないが、奥さんが和也と一緒に出掛けず、仮面夫婦的な扱いをするのは、このルックスに一理あるのではないかと思えた。
結婚相手には申し分ない相手ではあったが、結婚後にまで気持ちが持続出来なかったのではないかという想像を勝手に膨らませていた。
ーー
ー
そんな私と和也との最初の出会いがネットだった。
どう見ても不釣り合いな二人が、いとも簡単に出会えてしまうのがこの世界の摩訶不思議な奇跡なのかもしれない。
私は、文字を通してこの男の内面を知り、興味を持ち、惹かれていったのだ。
女に戻れる時間がなかったら、私は狂ってしまっただろう。
誰かに気づいて貰い、手を差し伸べて貰えなかったら、私はとっくに自分を殺してしまっただろう。
寂しい心を抱えていつも凍えていた。
そんな時、和也が現れ、文字で支えながら私を女に戻してくれたんだ。