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炎の薔薇
第1章 偽りのシンデレラ
樹生の親は比較的優しい人だった。
特に長男の樹生は可愛がられて育ったようだ。
樹生の基本的には優しい。
頭も良く、学校の成績は常にトップだったようだ。
それもあってか、親からは期待されて甘やかされてきたのだろう。
しかし、やけに自信家で見栄っ張りなところがあり、欲しいものは我慢せず、何とかなるだろうという考えで借金を繰り返してきた。
学校の成績が良くても、生き方はかなり馬鹿だ。
いくら頭が良くても、和也のようなスーパーエリートのレールから外れ、だらしない人生を歩み、害虫のように周りに被害をもたらす。
ろくでもない男。
麻央には本当に申し訳ないと思った。
親なのにちゃんと育てる環境を整えてあげられなかった事は、樹生と私の最大の罪だ。