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炎の薔薇
第2章 デート

 チーズフォンデュを食べた二度目のデートで初めて手を繋いで歩いた。
店を出ると、緊張しながら「手繋いでもええかな?」なんて聞いてくるところが和也らしいと思った。
フワッと大きな手が私の掌を包む。
暖かくて、ややゴツゴツとした感触。
恋人の第一歩のステップを踏んだ。
それからショッピングなんかを楽しんだ。
アロマのお店に立ち寄り、お気に入りの石鹸とハンドクリームを和也にプレゼントした。
豪華な食事は和也がいつもご馳走してくれた。
せめて何かお返ししたいという気持ちだった。


「実験で薬品を扱うから時々手荒れするって言っていたから、ちゃんとケアしてね。
手はね、年齢を物語るものよ。
手のケア大事!」

「お洒落なハンドクリームやね」

「少しアロマの香りが入ってるから癒やし効果もあるの。
私ね、どんなにお金がなくても身なりだけは綺麗にしていたい。
心が荒んでも、元気になれる香りに包まれて自分を保ってんの。
この石鹸もお勧め。
あっ!でも、こんなものを家に持って帰ったら奥さんに怪しまれる?」

「あの人は俺に興味ないから大丈夫。
自分のもんは自分で買ってるしな。
あの人が茜ちゃんくらい俺に気を遣ってくれたらええのに」


 恋人の距離になってからは、段々和也の本音が見えてきた。



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