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炎の薔薇
第5章 セックスの虜
「これ茜にどうかなと思って」
クリスマスカラーでラッピングされた箱の中身を開けると、華やかな赤い薔薇がデザインされたお洒落なカップ&ソーサーだった。
「有難う。素敵!」
「気に入ってくれたんやったら良かった。
薔薇は茜のイメージや。
一人でお茶飲んでる時も思い出してや。
心はいつも一緒やで」
「私もプレゼントがあるのよ。
いつも素敵なデートを演出してくれるお礼よ」
「これ、高かったやろ?」
高いよ。
絶対自分用には買わない、名の知れたブランドもののボールペン。
「いい男はいいものを身につけるの。
いつも一緒に置いてあげてね。
私の代わりにあなたの活躍を沢山みせてあげて」
「有難う。大事にする。
俺ね、茜のルックスも好きやけど、それ以上に惹かれるのはそういうとこ」
クリスマスの当日には会う事の赦されない二人。
それでも互いの為に何かをしてあげたいという純粋な気持ちがあったあの頃………
不倫はドス黒いだけじゃない。
お互い必要だと思っているから求め合うんだ。
足りないところを補い、身も心も元気にしていく。
お互いが信頼出来る最高のカウンセラー。
それにセックスという療法が加わっただけ。
不倫熱に冒されて病んでいる私達はかなり重症のようだ。