この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
炎の薔薇
第6章 寂しがりやのうさぎ
「母親になって子育てするのは当たり前よ。
独身の頃のように褒められる事もなくなるわ。
仕方ないって諦めてても、雑に扱われたら臍も曲がっていくのよ。
どんどん捻くれて不貞腐れちゃうの。
伴侶に気持ちが失くなるのは、妻だから夫だからという甘えがかなり相手に負担を掛けているからよ。
私の場合は夫の借金を返済していくのが本当に苦痛だった。
辛かったわ。
心が荒んだし、欲しいものも買えずに我慢して自分がみすぼらしいとさえ思った。
夫を男だと思えなくなった。
夫に体を触られるのさえ不快になった。
だからセックスを拒否するようにもなった。
こんな思いをさせる夫に妻でいる意味を感じなくなったからよ。
それでも私は女よ。
輝いていたいし、誰かの為に綺麗になる努力だってしたい。
女を忘れさせないで欲しいの。
だから自分をアピールする場所を探したのよ。
ずっと私を見つけて欲しかった。
女に戻して欲しかった」
「俺がちゃんと見つけたやろ。
茜は綺麗やで。
あっという間に俺の心を奪ったやん」
「やっと和也に辿り着けた。
私の居場所を見つけられた」
私は体を起こして、和也の顔を見つめてキスを落とした。
有難う……
私を見つけてくれて