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炎の薔薇
第6章 寂しがりやのうさぎ
夢を見る事しか許されなかったあの頃。
ベッドでの裸の語らいは、互いの報われない想いと自分勝手な妄想に酔っていた。
そんな都合の良い事が現実に起きるわけもない。
環境次第で人は醜い悪魔の心にだってなれる。
皆が皆、悪い事をする前に留まる良心があれば、この世に不倫なんて言葉すらもなかっただろうに……
「うさぎはね、ブログで知り合った人と付き合うようになったんだよ」
「良かったやん」
「益々うさぎのブログは過激になったけどね」
「どんな風に?」
「知り合った男との逢瀬の事を書いたり、ギリギリなところまで写真をUPするようになったの。
その男とのセックスを匂わせる写真とかをね。
後ろ向きになって、バックスタイルを匂わせるようなうさぎのドアップの背中と胸を手で隠して撮った写真とかね」
「俺は嫌やな。
茜とのセックスを人前で晒すようなまねすんのは」
「世の中にはいろんな趣向の人が居るわ。
うさぎ達はそういうのを記憶しておきたいんじゃない?」
「なんの為に?疚しい事してる写真なんて見つかったらヤバイやろ?
危険過ぎるんとちゃう?」
「絶対見つからない自信と愛の記憶を何処かに記しておきたい。
リアで言えない自慢話をしたくなる。
私はこの人と巡り会ってこんなに満たされて幸せになった。
そう言いたくなる気持ちは痛いほど分かる」