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炎の薔薇
第6章 寂しがりやのうさぎ

「和也は絶対バレない自信ある?」

「あるね。言うたやろ。あの人は俺に興味がないって。
会話がないほど冷めてもいないけど、息子中心の話ばかりや。
あの学校に行かせたい。その為にはあの塾がいい。今の成績では第一志望はギリギリだとかな。
確かに子供は大事やからそういう会話は持つ。
それがお互いの唯一の共通の話題なんやから仕方ない。
波風も立たないから喧嘩にもならない。
あの人は『私達って本当に喧嘩しないよね』なんて言ってるくらいやからな。
友達みたいな関係なんやろうね」

 そんな事を呑気に言う和也にもイラッとした。

「どこまでも和也をバカにした奥さんなのね。
ほんと、何様なの?
自分は専業主婦して当たり前で夫を労わない。
エッチを拒否してもお強請りはするのね。
喧嘩にならないのは、和也が頭がいいから波風立たないようにしてるだけでしょ?
そんな事にも気づけないくらい能天気な人なの?
そんな奥さんに和也は腹が立たないの?
本当にイラつく女ね!
和也の奥さんって!!」

 思わず口から飛び出しす嫉妬と本音。
何で世の中は不公平なんだろう?
専業主婦に胡座をかいて、夫の寂しさも理解しようともせずに息子のお受験にはご熱心。
金の苦労など微塵も知らずに夫の稼ぎで悠々自適な生活を送り、妻の役割も果たさないくせに!

 そんな女が和也の妻で居られるなんて………

 悔しい!!

 こんな図々しい座敷豚が和也の妻だなんて……
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