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炎の薔薇
第8章 甘く切なく……
コーヒーと小腹が空いたのでミックスピザを頼み、遅めのおやつを共にしたくらいの本当にちょっとした時間だった。
また二人は別々の道を帰る。
店を出て、駅までの道のりを手を繋いで並んで歩く。
『今度はいつ会える?』なんて当たり前の未来を語り、『また連絡する』『帰りたくないけど帰る』と甘えた。
改札口を潜り抜け、別々のホームヘと行く。
「茜!」
和也の声が聞こえて振り向くと、スッと抱きしめられて唇が重なる。
こんなキスされたらドキドキしちゃうじゃない!
唇が離れるとで和也が照れながら耳元で囁く。
「柔らかい唇の感触が指に残っていて、どうしてもキスしたくなってしもうたわ」
「もう!ドキッとさせないでよ〜」
また顔を見合わせて笑う。
既婚者になっても恋が必要だった。
だから私達は不倫したんだ。