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炎の薔薇
第1章 偽りのシンデレラ
「寂しいね。夫婦なのに」
そう和也に言いながらも、自分自身にも言い聞かせる。
「どうとも思わず、期待せず、これが普通ならばそれに従うしかないやろ?
無駄に波風立たせる方がしんどい」
しんどくても、波風がやまない嵐の中で私は生きてきた。
何とか修復出来るものならと僅かな希望を持ちながらも、妻、母親という立場を維持させようとしてきた。
でも現実は、そんな僅かな希望すらも儚く裏切られてしまい、どん底に突き落とされて、更に生地獄のような仕打ちをされる事もあった。
そんな生地獄から這い上がる為の術として、私は夫以外の男性に救いを求めるようになってしまった。
裏切る事で、自分を保とうとしたのかもしれない。