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滲む墨痕
第4章 一日千秋
『……あなたも』
その一言が、ますます潤を混乱させる。どういう意味なのか。たまらずショーツから手を引き抜こうとしたとき、さらに藤田は言った。
『あなたも、ご自身に触れているのですか』
息が止まりそうになった。「あなたも」という言葉は紛れもなく、彼もそうだと示している。触れている――彼も、彼自身に触れているというのか。
「昭俊さん、も……」
『うん。潤さんも?』
「は、はい」
『よかった。違っていたら僕はただの変質者だ』
その穏やかな口調に笑いを誘われ潤が小さく噴き出すと、藤田は色っぽい呼気を隠さずに話を続けた。
『あの夜の続きを』
はあっ、と最後に吐かれた喘ぎに似た息が、潤にもふたたび自慰を再開させる。