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滲む墨痕
第4章 一日千秋
「……もう黙れ」
低く呟き、腰を突き入れた。ずぶ、と勢いよく肉柱を送り込むと、女は身体をしならせた。
「はうっ……あぁ、誠二郎……っ」
夢に見た花園に己を突き刺したが最後、無防備な肉の隘路(あいろ)は吸着力を増し、男根がそれをかき分けて潜るたびにきつく吸いついてくる。うねる肉壁に締めつけられて、食いちぎられそうだ。
盛り上がった尻をがっちりと掴み、加減なく律動をはじめると、もう止まらなくなった。男の下腹部に打たれる大きな双丘が、ぶるんぶるんと震動する。
「誠二郎っ……あぁっ、いいわ、熱いぃ……」
女はすっかり愉悦し、情けない喘ぎ声をあげて腰を震わす。そうして不意に、首を後ろにひねった。
「ずっと、ずっと、誠二郎が欲しかったのぉっ……」
涙をためた片目で男の視線をしっかりと捉えながら、女は切に愚かな想いを放った。後ろに手を伸ばし、男の腕を掴もうとするも、容赦なく突き上げられる身体は揺れ動き、その手は弱々しく空(くう)を掴む。