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官能書道/筆おろし
第2章 想浴
(涼泉先生がオナニーを……)

 シャワーを浴びながら、妄想の涼子は自らを慰めはじめた。

 手のひら全体で乳房を撫でまわす。
 繊細な指先が白い乳肉の先端の愛らしい乳首をつまんで、くにくにと揉む。

 ついさっき見たばかりの、筆の穂先をほぐす時の指の動きが、それに重なった。

(やめろっ、そんな想像!)

 心の中で叫んでみても、むなしく響くだけだった。

 澄夫の頭の中で、美貌の書道家は次第に悩ましい表情になってゆく。

 きりっとした眉がハの字になり、眼がとろんと焦点を失って宙をさまよう。
 半開きになった唇から、濡れた舌先が覗く。

 十七歳の心を蕩かすような表情だ。

 邪想の中で、涼子はますます淫らな行為に浸る。

 双の乳房をなんども捏ねながら、首筋をのけぞらせる。
 たわたわと揺れる乳肌を撫でまわすように、温かい湯が流れ落ちる。

(涼泉先生は、そんないやらしいことなんかするもんか)

 そんな涼子の姿を打ち消そうと、首を振った。

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