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官能書道/筆おろし
第2章 想浴
 澄夫は毎日のように自慰をしてしまう自分に嫌悪感をいだいていた。
 やめようとしても、思春期の性欲は焼きつくような焦燥となって身を責める。

 耐え切れずに、ひとり怒張に手を伸ばす。

 そんなときでも、涼子の姿を思い描いたことは、これまで一度もなかった。
 神聖なものを穢すような行為に、心のブレーキがかかるのだ。

 しかし、今はその背徳的な夢想が淫情を刺激する。
 高貴なものを穢す想像が、たまらなく劣情をそそる。

 いつしか澄夫は、美貌の書道家の淫らな姿を思い浮かべながら、デニムパンツの上から猛る肉棹を握り締めて、小刻みにしごきはじめていた。

(ぼくはなんてことを……)

 それでも、妄想はとまらない。
 ますます卑猥な方向に進んでゆく。

 指先でツンと尖った乳首をつまんで、そこに水流の勢いを当てる。

「あン……」

 お湯が乳首にあたる心地よさに、幻想の涼子は頬をほんのりと赤らめて、小さく呻いた。

 シャワーの噴流は、ふたつの胸のふくらみを交互に襲う。
 そのたびに涼子は悩ましく身悶える。
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