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官能書道/筆おろし
第3章 双鉤
 清楚な年上の女性の口から〈オナニー〉などという言葉が発せられるのを聞いて、澄夫は愕然とする。

(どうしたんだ、涼泉先生は)

 まだ先ほどの淫らな妄想の中にいるようだった。
 頬をつねりたくなる。

 そんな澄夫の戸惑いを知ってか知らずか、涼子の手がいきなり澄夫の股間に伸びてきた。
 避ける間もなく、デニムパンツの前を軽く握られる。

「あ……」

 あわてて後ずさろうとしたところに、涼子の柔らかいが毅然とした声が響く。

「じっとしているのよ」

 ジーパンの上から一物をやんわりと握った指が、大きさを確かめるような動きを見せた。
 手のひら全体をかぶせたまま、やわやわと揉みしだく。
 ズボンの中で若い牡肉は素直な反応を示した。

「先生……な、なにを……」

 狼狽と羞恥で、澄夫の声はうわずった。
 淑やかだった師の豹変に、困惑を隠しきれない。

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