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第3章 双鉤

「動いてるのね。苦しそう」

　おかしそうに涼子が言った。

「すいません」

「あやまること、ないのよ」

　涼子はズボンの隙間から指先を差し込んできた。

「ああ、せ、先生っ」

「じっとしてるって約束でしょ」

　薄い布の上から、男性器を親指と人差し指と中指の三本の指でつままれた。
　弓なりに反りかえった茎部を左右からはさむような持ち方だ。
　指先に力がはいり、肉の硬さを味わうように、むにむにと揉まれる。

「すごい硬い」

　涼子が熱い吐息とともに呟いた。

「カッチカチ……」

　澄夫はいたたまれなくなった。

　美しい年上の女性の前に醜く充血させた欲情肉をさらしているだけでも逃げ出したいほどなのに、あろうことかその肉を弄ばれているのだ。
　純真な高校生にとっては、自分の醜悪な内面をあからさまに見られるようで、拷問に等しかった。