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官能書道/筆おろし
第3章 双鉤
 涼子の指がブリーフを降ろしはじめる。

「いい? 一回きりよ。
 誰にも言わないって約束して」

 真摯な視線でじっと見上げてくる。
 澄夫はその視線に操られるように、かくかくとうなづいた。
 先ほどまでの逡巡は跡形もなく霧散した。

 ブリーフのゴムを手前に引いて、ペニスの先端を越えて降ろされた。

「あっ」

 いままで布で押さえられていた怒張が、いきおいよくビンッと跳ね出た。

「すごぉい」

 涼子は細い鼻筋を近づけて、くんくんとペニスの匂いを嗅ぐ。

 澄夫にも、ツンと鼻の奥を刺激する卑猥な臭気が届いていた。
 その臭いを涼子に嗅がれているのかと思うと、この場から逃げ出したい。

「男の子のニオイね。
 澄夫くんもやっぱりこんなニオイをさせるんだ」

「……ごめんなさい」

「あやまらなくていいの。
 女の人は、この臭いで昂奮するのよ。そのうちわかるわ。
 でもオチン×ンは綺麗にしとかないとね」

 剥き出しになった牡肉に、美人書道家の指が伸びる。
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