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官能書道/筆おろし
第4章 新筆
 涼子の顔が近づき、ふたたび唇を塞がれた。

 舌先は唇の周りを這い回ったあと、顎から首筋にかけて何度も往復した。
 濡れた唾液が細い線となって、若者の肌に跡をつける。
 くすぐったいような感触が、鳥肌がたつほどの快感だ。

「ああン……」

 澄夫の口から、少女のような艶めかしい声が洩れた。

 涼子は身体を澄夫の脇に横たえ、片手で胸から腹をさすりながら、舌の愛撫を続ける。
 二の腕に柔らかい胸の弾力を感じた。フレアスカートがめくれ、ストッキングを履いていない生足が、すりすりと脛をこすり上げてくる。

 抱きしめていいのか戸惑う澄夫の手を、涼子が自らの胸に導いた。
 ちらっと涼子を見ると、優しく促してくれた。

「触っていいのよ」

 Tシャツの裾から中に手を入れる。

 涼子はブラジャーをしていなかった。
 覗き見を知った時、すぐに二階に来たので、そんな暇はなかったのだろう。

 初めて触る女性の胸は、温かくて柔らかかった。
 若者の手の下で、二十八歳の成熟した乳肉がはずむ。

 ためらいがちに力を込めてゆくと、張りのある弾力を示して、手のひらに吸いついてくるようだ。
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