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官能書道/筆おろし
第1章 長鋒
(ああ、先生の舌のうごきが……)

 長い睫毛が目立つ、ややうつむき加減の美しい横顔。
 舌先をのぞかせながら艶めかしく動く唇。

 見ているうちに、澄夫は股間にあやしいときめきを感じてきた。

(涼泉先生を見ながら、ぼくは何を……)

 いけない想像を、あわてて打ち消す。

 しかし、いったん火のついた思春期の下半身は、容易におさまってくれない。
 ドクンドクンという心臓の鼓動と共に、ズボンの中の恥ずかしい部分が充血し、硬くなっていく。

 美麗な師の横顔から眼を逸らそうとすれば、今度はストレッチニットにくっきりと浮かび上がった胸の隆起に、釘づけとなってしまう。
 まるで貼りついたように、視線がそこから離れない。

(ま、まずい……)

 本格的にムックリ膨らんでくる前にこの場を去ろうと、澄夫は身動きした。

 その動きが涼子の眼にとまったのだろう。
 指先で筆をゆるやかに廻していた怜悧な美貌が、澄夫の方に向けられた。

「まあ……」

 涼子は筆を口から離し、軽く睨んだ。
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