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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第5章 教室での『はじめて』
「だからね、私が予約しておくからそこで愛里ちゃんの宿題を見てあげてもらえないかしら?」
「いいけど。家じゃダメなの?」
「せっかく教室が使えるんだから。そっちの方が勉強に身が入るでしょ」

 算数の宿題に取り掛かりながらも、読みかけの本が気になるのかそわそわしているらしい。
 他の教科ならちゃんと出来るのに、算数だけはね、と幸彦のカメラを手に取りながら綾香が笑う。

 今日撮ったテニスの他に、先日の花火をバックに笑う浴衣姿の愛里の写真があった。

「それにしても幸彦くんって、写真撮るの上手ね」
「カメラがいいんだよ」
「そうなの? 愛里を可愛く撮ってくれてありがとうね」

 そう。愛里を撮りたい。今しかない、成長途中の少女の体を。

 今しか味わえない体を、味わい尽くしたい。

 綾香がカメラを置いた。先ほどの学校からのお知らせの紙に触れた。

 そう、味わい尽くしながら、愛里を撮りたい。
 それは花火の日に沸き起こった、新たな欲望。

「宿題のこと、わかったよ」
「あら、本当?」
「うん。僕に任せて」

 愛里と教室。普段自分が入れない、子供だけの特別な場所。

 そこで、愛里を…
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