この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第5章 教室での『はじめて』

予約してくれるという綾香に代わって、幸彦は自分で予約しに行った。
本来なら電話で済むのだが、学校に来ていることもあって職員室まで足を運んだ。
対応してくれた職員に、予約状況を聞く。
いくつかの日はすでに他の家族が予約を取っていた。そちらに許可が取れれば同じ日の同じ時間でも大丈夫だというが、それでは困る。愛里と二人っきりではないと意味がないのだ。
「でしたら、この日はいかがでしょう? ただ、この日はちょっと校庭が騒がしいかもしれないですけど」
職員が指差すその日は、お盆の週のいちばんはじめ。親の実家に帰省する家族が多いのだろう。ぽっかりとお盆前後だけが空いていた。
同じ日に、少年サッカーチームの練習が校庭であるらしい。それで人気がない日なのかもしれない。
「それじゃあ、この日にしようかな。お願い出来ますか」
「はい、かしこまりました。では、この用紙に記入をお願いします」
申込用紙とペンを受け取り、必要事項を書きながらも幸彦は愛想のいい顔で話を続けた。
「先生方も大変ですね。お盆だというのに」
「いや、学校を留守にするわけにはいきませんから。交代で来ているだけなので大丈夫ですよ」
年配の職員はそう言って笑う。
「先生はどこの担任で?」
「ああ、六年生です。岡島さんのお子さんの隣のクラスですよ」
「そうでしたか。いつも娘がお世話になってます」
「いえいえ」
記入が終わった用紙を手渡しながら、幸彦が声を改める。
「あの、それでひとつお願いがあるのですが」
本来なら電話で済むのだが、学校に来ていることもあって職員室まで足を運んだ。
対応してくれた職員に、予約状況を聞く。
いくつかの日はすでに他の家族が予約を取っていた。そちらに許可が取れれば同じ日の同じ時間でも大丈夫だというが、それでは困る。愛里と二人っきりではないと意味がないのだ。
「でしたら、この日はいかがでしょう? ただ、この日はちょっと校庭が騒がしいかもしれないですけど」
職員が指差すその日は、お盆の週のいちばんはじめ。親の実家に帰省する家族が多いのだろう。ぽっかりとお盆前後だけが空いていた。
同じ日に、少年サッカーチームの練習が校庭であるらしい。それで人気がない日なのかもしれない。
「それじゃあ、この日にしようかな。お願い出来ますか」
「はい、かしこまりました。では、この用紙に記入をお願いします」
申込用紙とペンを受け取り、必要事項を書きながらも幸彦は愛想のいい顔で話を続けた。
「先生方も大変ですね。お盆だというのに」
「いや、学校を留守にするわけにはいきませんから。交代で来ているだけなので大丈夫ですよ」
年配の職員はそう言って笑う。
「先生はどこの担任で?」
「ああ、六年生です。岡島さんのお子さんの隣のクラスですよ」
「そうでしたか。いつも娘がお世話になってます」
「いえいえ」
記入が終わった用紙を手渡しながら、幸彦が声を改める。
「あの、それでひとつお願いがあるのですが」

