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愛里 ~義父と暮らす小学六年生~
第5章 教室での『はじめて』
カシャっ。小さな撮影音が聞こえて愛里はドリルから顔を上げた。
「写真…?」
怪訝そうに首を傾げる愛里に、幸彦が笑う。
「お母さんに見せてあげるんだよ。教室で愛里ちゃんはこんなふうに勉強してますよって」
「うん…」
「あ、ここ、間違ってるよ」
「え、どこ?」
「ほら、ここ。式はあってるけど、途中の計算が間違ってるよ」
机に手をつき、上から覗き込むようにドリルの中に書かれた計算式を指さす。
「あ…」
しばらく見直しをしていた愛里だったが、やがて間違いの箇所が分かったらしい。
消しゴムで数字を消すと、もう一度計算に取り掛かった。
今日の愛里は生地が薄目な夏用のピンク色の半袖パーカーに、膝丈のデニムのスカート。
学校の中なので足元は上履きだ。
服装もまだまだ子供っぽいが、愛里によく似合っている。
「宿題してるとこ、写真撮ってもいい?」
「うん、いいけど」
「お父さん、最近写真が趣味になっちゃったみたい」
綾香に見せるために幸彦は愛里の写真をたくさん撮っている。病弱で一緒に出かけられないことも多い。そんな時、愛里は写真をとってくれとせがむ。
たくさん写真を撮っているうちに、もう少しいいカメラが欲しいと考えるようになり、コンパクトだが画素数の多いデジカメを新たに購入していた。動画も三十分限定だが録れる。
「写真…?」
怪訝そうに首を傾げる愛里に、幸彦が笑う。
「お母さんに見せてあげるんだよ。教室で愛里ちゃんはこんなふうに勉強してますよって」
「うん…」
「あ、ここ、間違ってるよ」
「え、どこ?」
「ほら、ここ。式はあってるけど、途中の計算が間違ってるよ」
机に手をつき、上から覗き込むようにドリルの中に書かれた計算式を指さす。
「あ…」
しばらく見直しをしていた愛里だったが、やがて間違いの箇所が分かったらしい。
消しゴムで数字を消すと、もう一度計算に取り掛かった。
今日の愛里は生地が薄目な夏用のピンク色の半袖パーカーに、膝丈のデニムのスカート。
学校の中なので足元は上履きだ。
服装もまだまだ子供っぽいが、愛里によく似合っている。
「宿題してるとこ、写真撮ってもいい?」
「うん、いいけど」
「お父さん、最近写真が趣味になっちゃったみたい」
綾香に見せるために幸彦は愛里の写真をたくさん撮っている。病弱で一緒に出かけられないことも多い。そんな時、愛里は写真をとってくれとせがむ。
たくさん写真を撮っているうちに、もう少しいいカメラが欲しいと考えるようになり、コンパクトだが画素数の多いデジカメを新たに購入していた。動画も三十分限定だが録れる。